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S・S・ヴァン=ダイン : ミニ英和和英辞書
S・S・ヴァン=ダイン[えすえすう゛ぁんだいん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

ダイン : [だいん]
 (n) dyne, (n) dyne

S・S・ヴァン=ダイン : ウィキペディア日本語版
S・S・ヴァン=ダイン[えすえすう゛ぁんだいん]

S・S・ヴァン=ダイン(S. S. Van Dine, 1888年10月15日 - 1939年4月11日)は、アメリカ合衆国推理作家・美術評論家。本名はウィラード・ハンティントン・ライト(Willard Huntington Wright)。名探偵ファイロ・ヴァンス(Philo Vance)を生み出した。日本語表記はS・S・ヴァン・ダインが一般的である。
== 経歴 ==
1888年アメリカ・ヴァージニア州に生まれる。ハーバード大学卒業後、美術評論家として雑誌や新聞に寄稿していた。しかし生活への不安や第一次大戦中の緊張などから健康を害し、1923年には神経衰弱にかかり長期療養を余儀なくされる。医者から仕事や学問を止められたため彼は書物を読むことができず、交渉の末暇つぶしに軽い小説を読むことを許されたが冒険物や恋愛物を読む気にはなれなかった結果英国ミステリーに行き着いた。彼は2年間で過去75年間2000冊もの推理小説を読破して体系的な研究を重ね、「経験の浅い他の作家がこれだけ成功するのなら自分にもできないことはあるまい」と考えるようになった。これが、自叙伝『半円を描く』で語られているミステリー作家としての出発点である。〔『ベンスン殺人事件』(創元推理文庫、1959)における中島河太郎の解説より。〕
ただしこれは虚偽で、原稿が売れず、自棄になって麻薬中毒となり、借金で首が回らなくなったため、ミステリーに手を染めたという説もある(ジョン・ラフリー『別名S・S・ヴァン・ダイン: ファイロ・ヴァンスを創造した男』,1992)〔中島河太郎『江戸川乱歩賞全集第一巻 探偵小説辞典』(講談社文庫、1998)における権田萬治の解説より。〕。
退院後、ミステリーを書き始め、1926年に第一作『ベンスン殺人事件』を上梓、たちまち評判となる。版元はスクリブナー社で、担当編集者はF・スコット・フィッツジェラルドアーネスト・ヘミングウェイの編集者としても知られるマクスウェル・パーキンスである。その後、死去するまでに12作の長編推理小説といくつかの犯罪実話を執筆。さらにアガサ・クリスティの『アクロイド殺し』を酷評するなどの評論や、『世界短編傑作集』序文の推理小説を書く上での鉄則を記したいわゆるヴァン・ダインの二十則などのアンソロジー等も精力的に発表した。
12作の長編全てに、名探偵ファイロ・ヴァンスが活躍する。ヴァン=ダインは面白い長編小説を書くのは、一作家6作が限度だろうとしていた。その言葉通り、12作のうち前期6作、とくに『グリーン家殺人事件』や『僧正殺人事件』の評価は高い〔1975年週刊読売』の海外ミステリー・ベストテンで『僧正殺人事件』と『グリーン家殺人事件』はそれぞれ8位と9位、1985年週刊文春』の同ベストテンで『僧正殺人事件』は9位に挙げられていた。〕。対照的に、後期6作の評価は芳しいものではない。特に11作目の『グレイシー・アレン殺人事件』は、映画製作を前提としてヒロインをフィーチャーして執筆されたもので、作風とそぐわないキャラクターが登場する。また、最終作の『ウインター殺人事件』は、完成稿に取り掛かる前に作者が亡くなったため、作風である衒学趣味的な言説がほとんど見られない作品となっている。
自国の本格ミステリー小説が低迷していたアメリカに彗星の如く現れ、以後のミステリーに多くの影響を与えた。以後のアメリカ本格派を代表するエラリー・クイーンも、彼の影響を公言している。現在は本国では半ば忘れられかけた存在だが、日本では依然人気が高く、全作品が文庫化されて版を重ねている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「S・S・ヴァン=ダイン」の詳細全文を読む




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